
亲爱的小伙伴们,大家晚上好,
今天由 小野主播 继续为我们带来《女生徒》~
では、はじめましょう!
太宰治---《女生徒》

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結局は、私ひまなもんだから、生活の苦労がないもんだから、毎日、幾百(いくひゃく)、幾千(いくせん)の見たり聞いたりの感受性(かんじゅせい)の処理が出来なくなって、ポカンとしているうちに、そいつらが、お化けみたいな顔になってポカポカ浮(う)いて来るのではないのかしら。
我想一切应该是因为我很无聊,没什么生活上的辛苦,无法处理每天所见的成百上千的感受,所以这些东西才趁我发呆的时候,幻化成妖怪,一一浮现出来吧?
食堂で、ごはんを、ひとりでたべる。ことし、はじめて、キウリをたべる。キウリの青さから、夏が来る。五月のキウリの青味(あおみ)には、胸がカラッポになるような、うずくような、くすぐったいような悲しさが在る。ひとりで食堂でごはんをたべていると、やたらむしょうに旅行に出たい。汽車(きしゃ)に乗りたい。新聞を読む。近衛(このえ)さんの写真が出ている。近衛(このえ)さんて、いい男なのかしら。私は、こんな顔を好(す)かない。額(ひたい)がいけない。新聞では、本の広告文(こうこくぶん)が一ばんたのしい。一字一行(いちじいちぎょう)で、百円、二百円と広告料とられるのだろうから、皆、一生懸命だ。一字一句(いちじいっく)、最大の効果を収めようと、うんうん唸(うな)って、絞(しぼ)り出したような名文だ。こんなにお金のかかる文章は、世の中に、少いであろう。なんだか、気味がよい。痛快(つうかい)だ。
我独自坐在餐厅吃饭。今年第一次吃到小黄瓜,从青翠的小黄瓜可知道夏天来了。五月黄瓜的涩味中带有一种会使胸口空虚、刺痛、发痒的哀伤。每次独自在餐厅吃饭时,就好想旅行,好想搭火车。看着报纸,报上刊登出一张近卫 先生的照片。近卫先生是个好男人,但我不喜欢他的脸,他的额头长得不好。我最喜欢看报上所刊登的图书文案。由于一字一行大概都要花上一百元、二百元的广告费,因此为使一字一句发挥最大的效用,人们都痛苦地绞尽脑汁挤出名句来。这样字字如金的文章,恐怕世上不多了吧!我莫名地感到心情愉快。
ごはんをすまして、戸じまりして、登校。大丈夫、雨が降らないとは思うけれど、それでも、きのうお母さんから、もらったよき雨傘(あまがさ)どうしても持って歩きたくて、そいつを携帯。このアンブレラは、お母さんが、昔、娘さん時代に使ったもの。面白い傘を見つけて、私は、少し得意。こんな傘を持って、パリイの下町を歩きたい。きっと、いまの戦争が終ったころ、こんな、夢を持ったような古風(こふう)のアンブレラが流行するだろう。この傘には、ボンネット風の帽子が、きっと似合う。ピンクの裾(すそ)の長い、衿(えり)の大きく開いた着物に、黒い絹(きぬ)レエスで編んだ長い手袋をして、大きな鍔(つば)の広い帽子には、美しい紫のすみれをつける。そうして深緑(ふかみどり)のころにパリイのレストランに昼食(ちゅうしょく)をしに行く。もの憂(う)そうに軽く頬杖(ほおづえ)して、外を通る人の流れを見ていると、誰かが、そっと私の肩を叩(たた)く。急に音楽、薔薇のワルツ。ああ、おかしい、おかしい。現実は、この古ぼけた奇態(きたい)な、柄(え)のひょろ長い雨傘一本。自分が、みじめで可哀想。マッチ売りの娘さん。どれ、草でも、むしって行きましょう。
吃完饭,关好门上学。虽然觉得应该不会下雨,但因想带着昨天从妈妈那边要来的好雨伞,便把它带在身边。这把雨伞是妈妈少女时代所使用的,发现这个有趣的伞面,我有些得意。好想拿着这把伞,行走在巴黎的街道。等到战争结束后,一定会流行这种梦幻般复古的雨伞,这把伞与女式外出帽应该很相配。穿上粉红色长裙、开着大襟领的衣服,戴着黑绢蕾丝长手套,在有着宽帽檐的帽子上别上紫堇花,迎着深绿的季节前去巴黎的餐馆吃早餐。然后忧郁地托着腮帮子,看着窗外川流不息的人群。此时应该有个人轻拍我的肩。耳畔瞬间响起音乐,玫瑰色的华尔兹。啊!好可笑!好可笑!可惜现实中只有这只老气奇怪的长柄雨伞。自己真是凄惨可怜,好像卖火柴的少女!总之,还是去拔草吧!

本期主播

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